私たちの、歪な関係



ーーー

「如月さん、そろそろ閉館時間よ」

先生に言われてはっと気づく。

「ごめんなさい、すぐ出ていきます」

慌てて本を閉じると私は元あった場所に戻す。

「いつもありがとうね。」

「いえ、好きなんで」

ここの先生は、少し年齢が高いけどとても穏やかで素敵な人だ。

「また来ます」

「ありがとう」

笑顔で図書室を出ていくと、保健室に向かった。

しまった、長居しすぎた。

変に思われるかな?

実は図書室に行ってること、隼にもハルちゃんにも言っていないんだ。

隼は田中先生からの呼び出しとは思ってないかもしれないけど、さすがに私がこの時間なにをしているかは知らない。

ハルちゃんは……
どうだろ?

にしても、あの本やっぱり面白かったなぁ。

はやく続きが読みたい。

パタパタと保健室に向かうと、ドアをノックをして開けた。


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