私たちの、歪な関係
「優衣。教科書借りれた?」
「うん。これでお説教はまぬがれたー」
自分の教室につくと、唯一私の事を理解して全て知っているいる幼なじみである観月 花音-ミヅキ カノン-が私に声をかけてきた。
「隼くん持っててよかったね」
「そりゃ隼だもん」
「まったく優衣は……」
「えへっ」
学校にいる時は油断ならないからずっと猫をかぶる。
もちろん、誰の前でもね。
誰がどこで見てるか分からないもの。
私が素を出せる瞬間は家にいる時か、周りに誰もいない時。
もちろん家って言っても、家で1人の時だけどね。