私たちの、歪な関係
「今日ゲームだね!」
「ああ、ゲーム……」
どうしたんだろう?
なんだか元気ない。
「隼?」
あ、今朝のことかな?
私が走って行っちゃったこと怒ってる?
……私は、気持ちを切り替えるのは得意だからそんなにもう気にしないようにしてるけど……
隼も、気持ちを切り替える面では得意そうだけどな……
「今朝のこと、怒ってる?」
隼の顔をのぞき込む。
と言っても、隼は背が高いから大分見上げなきゃ行けないけど。
「…怒ってるのは優衣でしょ」
すると隼はそう言って少し拗ねたような顔をした。
「え?」
「俺が腕にキスしたから怒ってるでしょ?」
……ああ、そういう…
お互い勘違い、みたいな感じかな…
「怒ってないよ、あれは…
少し驚いただけ!」
そう言って笑顔を作るがあんまり納得してない様子。
「怒ってないから、ね?」
そんな隼にもう一押ししてそう言うと「ごめん」と謝られてしまった。
「私もごめん」
なんだか申し訳なくて私も謝ると、隼も少し笑ってくれた。
それに笑い返すと私は口を開いた。
「やっぱり今日、ゲーム辞めてハルちゃんのとこ行く?」
「え?ゲームはいいの?」
あんなに楽しみにしてたのに。と隼は驚いている。
「だって、やっぱり隼
ハルちゃんに会いたいでしょ?」
なんだか私の趣味に付き合わせるのも悪いかなって。
今朝の事もあるし、私少し自分勝手かもなぁって。
「まぁ、話はしたいけど。
今日はゲームしよう、約束したでしょ」
だけど隼はそう言って笑った。
優しいな、隼は。
「そう?ありがとう」
私がそう言うと満足そうに笑う隼。
私たちの笑顔は、いつまでも作り笑いだと思うとこんな関係辞めた方がいいのかなと思った。
隼のためにも。