私たちの、歪な関係
「はい」
「ありがとう……」
隼の家には誰もいなく、私は隼の部屋に通された。
そして隼は私に温かいココアを入れてくれた。
「母さん買い物行ってるから、そのうち帰ってくると思うけど気にしないで」
「うん、ごめん。ありがとう」
「少し落ち着いた?」
隼の言葉に頷く。
さっきまで溢れていた涙も止まり、気持ちも少し落ち着いた。
「隼…ごめんね。
ハルちゃんが結婚するなんて知らなくて…」
ハルちゃんの彼氏の存在にも気づかなかった。
「俺も知らなかった」
隼はそう言って遠くを見るように窓の外を見た。
「……ごめん」
「謝らないでよ。優衣は何も悪くない。
誰も悪くないんだよ」
きっとこうなる運命だった、とわかっていたかのように隼は言った。
隼は、知ってたのかな?
ハルちゃんに彼氏がいること。
結婚が近かったこと。
知っててもおかしくはない。
だって放課後は私図書室に行っていてふたりきりだったわけだし。
……でもさっき知らなかったって言ってた。