私たちの、歪な関係
ハルちゃん…いるかな?
なんとなく、この前の今日で顔を合わせるのは私としては気まづいけどハルちゃんの様子が気になる。
私は下駄箱に行く予定だった足を保健室の方向へ向けた。
保健室に近づくと、なんだか話し声が聞こえた。
…誰か来てるのかな?
そっと保健室を覗く。
…………隼
…なんで?
いや、来ていてもおかしくはない。
むしろこれが普通なのかも……
私はふと一年前のことを思い出した。
一年前も、こうして保健室を覗いていたら隼がハルちゃんと話しててそしてあの関係が出来たんだ。
懐かしいな……
1年か。
隼は1年も、いや一年以上もハルちゃんの事が好きなんだ。
すごい……
私、思えば人を好きになったことないかも。
もちろん、花音とかお母さんは好きだ。
だけど、人に恋愛感情を持ったことがない。
だからもちろん付き合ったこともないし、隼が初めての彼氏だった。
キスも手を繋ぐのも全部隼が初めて。
そんな人がハルちゃんの事を好き。
私…悪いことしたかな?
好きな人がいる人と付き合ってしまった。
隼はきっとハルちゃんとつき合いたかったはずだ。
あぁ、本当に私って最低。
少し自傷的に笑うと、私はこれ以上2人を見ていたくなくて保健室に背を向けた。
「優衣?」
その時だった、ハルちゃんが私に気づいてしまった。
私は一瞬ビクリと止まってしまったが、
「またね」
と振り向いて言い、走って下駄箱へ行った。
大丈夫、私はうまく笑えてた。