私たちの、歪な関係
「駿くん?」
「…」
「ねぇ、」
「…」
なんでなにも答えないの。
「ねぇってば!」
私は足を止めて駿くんに掴まれていた手を振り払った。
駿くんはそれに少し驚いて、私の方を見る。
「どうしたの、駿くん」
「……それも、作り笑い?」
え…………?
何、言ってるの?
なんで知ってるの?
「何言ってるの?」
私がそう言うと、駿くんは少し寂しそうに笑った。
「優衣ちゃんがいつも作り笑いで過ごしてることくらいわかるよ」
……なんで?
「気づいてないとでも思った?
残念。バレバレでした~」
いつもの調子で言う駿くん。
………本当に、この人といると調子狂う。
「隼と優衣ちゃんがずっと一緒にいたように、俺もその隣にいたんだよ?
隼が小さい頃から作り笑いなのだって知ってる、だからかな。
優衣ちゃんを初めて見た時にも気づいたよ。
あー、この人隼と同じだ。ってね」
……そういえば、この人は隼の幼なじみだったな。
そう説明されると、確かに気づいてもおかしくないと思ってしまう。