言えない、好き。
「そしてまた慧斗は優冬にべったりかよ。
しかも呑気に寝てるし」
すやすや眠るケイの顔を覗き込み柊がそのほっぺをにょいーんっと引っ張る。
当のケイは「ん゛〜〜」と悩ましげな声をあげながらも、一向に起きる気配なし。
むしろ、更にくっつかれて重みが増した。
「ちょ、お、重い」
「ちょっと優冬大丈夫?」
「もう慧斗〜〜!」
和と椎花がなんとかケイを引き剥がそうと試みるも、なかなか重みは消えてくれない。
「ったく、ほんと手のかかるやつ」
柊がそう呟いて、ケイの耳を引っ張った。
そしてその耳元で声をあげた。
「部活行くぞーーー!春先輩がご立腹!」
すると一瞬で消えた重み。
相当うるさかったのかお目覚めのケイは顔を歪ませて、ご機嫌ナナメなご様子。