雪の日 ~すれ違う心~
その日から、劇的に生活が変わったわけじゃない。


相変わらず俺は自分を責め続けたし、やっぱり生きていくのが面倒になったりして自殺を図ったり、自傷行為に走ったりした。


でも、そのたびに彼女が励まし、ときには叱ってくれて。


雛子がいなくなってから一年、どうにか社会復帰を果たした。


仕事につけたのも、笑えるようになったのも。


全部彼女のおかげだった。


雛子が彼女を姉のように慕う気持ちがよく分かる。


とにかく面倒見がいいし、こんなにぐだぐだな俺を見捨てないでくれた忍耐力。


俺は、雛子がいなくなってから彼女に頼りきりだった。




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