死神執事と、トラブルメーカーな私の話
「・・・・・・聞こえなかったことにするわ」


「なんでだよ」


昇降口に入り、哨が靴を脱ぐ。

ハロスは下駄箱から上靴用のパンプスを取り出し、一瞬靴の中に視線を振ってから床に置いた。

「どうぞ、安全な靴です」


「あら、ありがとう」


微笑を浮かべて靴を履き、哨は微かに目を細めた。


「痛かったら、いつでも帰っていいんだぜ」


「・・・・大丈夫よ」


囁きに返し、哨は足を踏み出した。

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