死神執事と、トラブルメーカーな私の話
真っ直ぐな姿勢で、上品な物言いの哨を横目に、ハロスは内心笑みを浮かべた。


ドレスを着てこういう場に来ると、哨はいつもと違い、雰囲気が変わる。

姿勢が伸び、振る舞いが優雅になって物言いも上品なものとなる。


哨は金持ちが嫌いだが、しかしその金持ちの中でも、哨の美しさは特に際立つ。

ドレスを着た時の変わりようが意識的なものなのか、それとも無意識なのかはわからないが、周囲の人間に比べると目を引くのは確かだ。



学校の時とは明らかに違うその雰囲気に、姫華の目が細まる。


「・・・大丈夫よ、気にしていないわ。

それより、今日は何時までここにいるつもりかしら?」
< 133 / 284 >

この作品をシェア

pagetop