死神執事と、トラブルメーカーな私の話
「ーーあんた、本当に言ってるのか。

あいつらに悪意がないって、本気で信じてるわけ」


そんなわけがない。

あのクラスメイトたちを見ていれば悪意があることなんてわかるはずだ。

直接的な言葉は言わないにしろ、態度や言葉使い、視線などで気づく。


小馬鹿にしたような笑み、見下す目つき、遠回しの揶揄。


しかし哨は表情一つ変えず、顎を引いた。


「信じてるじゃなくて、事実なのよ。

悪意はない。根本的にはただの自己防衛だわ」
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