死神執事と、トラブルメーカーな私の話
カイトがその場に背をむけると、他の生徒も徐々に去って行った。



「哨」



不意に名前を呼ばれ、びくりと顔を上げると、ハロスが顔を覗き込んでいた。

「どうした?」

低く凛とした声に、靄がかかっていた意識がはっきりとする。

いつの間にかつめていた息を吐き出し、私はゆっくりとかぶりを振った。

「・・・・・・なんでもない」

「ふうん」

「ていうか敬語使いなさいよ」

「誰も聞いてねえよ」



いつものやり取りに、なんとなく息がしやすくなった。
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