死神執事と、トラブルメーカーな私の話
哨の背中が扉の向こうに消えた。

扉が閉まる音が静寂の中響く。


「・・・・・・・・・」


暫くして、溜め息とともにハロスは哨のベッドの上に座った。

ついさっき、哨に振り払われた右手が鈍く痛む。

ただ振り払われただけなのに、皮膚の表面に感じる痛みはハロスの思考を暫く停止させた。


ーー初めてだな、こんなの。


今までにも哨の体に触れたときはあったが、こんなふうに拒まれたことなんてなかった。

何が彼女をそうさせたのか。
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