死神執事と、トラブルメーカーな私の話
女の背中が廊下の曲がり角に消えたのを見て、扉を閉める。


「ーー風呂かよ」


哨が急に部屋から出て行ったのはなぜだろうと考えていた自分が馬鹿みたいだとぼそりと呟く。


「ったく」


軽く舌打ちをして、さっき綺麗にしたベッドに思い切り寝転ぶ。


心配して損をした苛立ちと、哨の身に何か起こったわけではないのだという安堵に目を瞑ってこのまま寝てしまおうかと考える。哨は驚くだろうが知ったことではない。

ハロスの手を振り払った挙句散々悩ませたのだから、仕返しとしては軽いぐらいだ。
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