死神執事と、トラブルメーカーな私の話
暗く静かな部屋にハロスの声が反響する。


静かだ。夜中のように物音がしない。


近くを車が通ったのか、カーテンの隙間から光が差し込み部屋の中を通り過ぎる。


「ーーシャワーを浴びていたわ」


ハロスと目を合わさないまま、哨が呟く。いつもよりかすかに声が低い。


「ふうん」

暗闇の中を歩き、哨の前で立ち止まる。手を伸ばして黒髪に触れると、一瞬哨の肩が跳ねた。
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