死神執事と、トラブルメーカーな私の話
「ーーちょっと!」


哨が焦ったように身をよじらせるが、両手を抑えられていれば逃げることはできない。


ハロスは哨の首元から顔を上げ、黒い瞳を見据える。


「・・・あんた、本当に風呂入ってきたの?」


カーテンの隙間から光が入ってくるだけの暗闇の中、哨の瞳が揺れた気がした。


「入ってきたって言ったでしょう。何よ、何疑ってるの」


「それにしてはいつもの匂いがしないんだけど?」

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