死神執事と、トラブルメーカーな私の話
「どうぞ、レモンティーです」

「どうも」

そう言って机に置かれたカップに伸ばしかけた手は、ハロスの手によって遮られた。

「・・・・・・何?」

つかまれた手首を見て眉をしかめる。

「お礼は言わないんですか?」

「・・・・・・さっき、言わなかったかしら」

「あれが礼に入ると?」

「何が言いたいの」

ハロスの顔を見上げる。言いたいことがあるのならはっきり言えばいい。


「『どうも』じゃなくて『ありがとう』だろう?」
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