死神執事と、トラブルメーカーな私の話
哨の足の裏は、ストッキングの上からでもうっすら赤く濡れているのがわかった。

それを見てハロスが目を見開く。


「なに・・・哨、なんだよこれ。いつからだ?」


かがんで哨が脱いだ靴を取ろうとした手を、白い手が掴む。


「待って・・・先に、肩を貸して。部屋まで連れてって。
・・・・・・誰にも見られたくないから」


冷静な口調とは裏腹に、哨の息は乱れていた。


「・・・・・・・・・」


痛みに耐えるように足首を握り締める哨を見て、ハロスは無言で手を差し伸べた。
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