死神執事と、トラブルメーカーな私の話
「・・・・・・私の礼儀に教育を与えるのは、執事の仕事ではないわ」

「主人に尽くすのが、執事の約束だろう?」

軽く睨んだ私の視線を受け止め、ハロスはこともなげに答える。


こういう時のハロスは苦手。いつも瞳の中にある悪戯の色が消えて、冷静な雰囲気が宿る。
口答えしにくくなる。


「・・・・・・ありがとう」

だから、つい言ってしまう。



するとハロスは、

「言えるんじゃん」

ちょっと優しく笑って、手首を離した。

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