死神執事と、トラブルメーカーな私の話
「ーーーもう、いい。寝るわ。・・・・・・下がって」

小さく息を吐いて、ハロスの足音が遠ざかる。

「ああ、そうだ。体、冷やさないようにね。人間なんてすぐに死ぬんだから」

扉を閉める直前にそう言って、ハロスは部屋から出て行った。


「・・・わかってるわよ」

一人になった部屋の中、呟く。



「・・・・・・・・・・・・」

カップを片手に持ち、一口飲む。


レモンの酸っぱさと紅茶の苦さが口の中に広がる。




「・・・苦い」


ーーー少しぐらい、砂糖入れなさいよ。
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