生 意 気 な お 隣 さ ん *
.





やっと帰った柏木さんに、
ホッと安堵の息をもらすと

兄が、苦笑いを浮かべる。





「ごめん、失礼なやつで」

「ううん!お兄ちゃんが謝ることじゃないから!
全然気にしないでよ」




「そう言ってもらえると助かる。
・・・根はいいやつなんだけどな」







"初対面のヤツにはよく突っかかる。"
兄はそう言ってあと片付けをすると

部屋に戻ろうとする私に「あ」と声を上げた。








「んーー?」

「・・・明日から一人暮らしだよな、
なんかあったらいつでも俺の家来ていいから」






「ふふ、ありがと」









相変わらずの優しい兄に、自然と頬が緩む。

私とは違ってイケメンで、
身長高くて以外と筋肉がある、

所謂 完璧イケメンで




今日来た柏木さんみたいに、
正直に言わずとも

あの完璧な兄の妹という立ち位置は期待される。






別にブスってわけでもないし、
普通だけどそれより少し可愛いよりだと思う。




でも、期待にそぐえるような
そんな可愛さは持ち合わせていない。









「(分かってるって、意外なことくらい)」











.
< 3 / 7 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop