副社長には内緒！〜 Secret Love 〜
そして、食べ終わると莉乃の横に戻り、莉乃の作業を見入った。

「副社長……。これ！」
莉乃の手により、だされた数字を誠は驚いて目で追った。

「２００万が複数回、ごまかされています。そのお金はここの口座に……暗号化？消されてる？」

莉乃の言葉に、誠は莉乃の後ろから抱きしめるような形で、キーボードを操作すると、バック画面に入り、何やら英語と数字の羅列を始めた。

そしてゆっくりとエンターキーを押した。

「６月２５日、７月２日、３日、９日、東都銀行とマリンバンクだな」

「この事の裏が取れれば、証拠がつかめます……」

莉乃は大きく息を吐き安堵し、その時初めて背中に誠の体温を感じて、急に心臓の音が耳に響いた。

「すごいな！莉乃！ありがとう！」
誠は興奮するように画面を見つめながら言うと、誠も大きく気を吐いた。

（これだけの量の資料の中から不正を見つけるなんて。きっと常務も完璧なごまかしをしていただろうに）

誠は自分の腕の中に囲うようになっていた、莉乃に気づき慌てて莉乃から離れると、「本当にお疲れ様」そう声を掛けた。

「少しは役にたててよかったです。いつも、助けてもらってばかりだから」
莉乃が少し寂しそうな表情をしたように、誠には見えて誠は少し戸惑いを覚えた。

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