副社長には内緒!〜 Secret Love 〜

俺の目を見て?

「莉乃?」
その表情の意味を問うように掛けられた誠の声に、いたたまれず莉乃は席を立った。

「何?コーヒーでもいれるね」

早口に言うと、莉乃は足早にキッチンへと行き、コーヒーメーカーをセットすると、部屋中にコーヒーの香りが充満した。

その香りに莉乃はキッチンで大きく息を付いた。

(普通にしなきゃ。普通に。意識するな!私!)

莉乃は自分自身に言い聞かせ、気持ちを落ち着かせると少し時間をかけながらコーヒーをカップに注いだ。

「副社長、コーヒー入りました」
莉乃はリビングのテーブルにカップを置くと、チラリと誠に目線を向けた。


「ありがとう。なあ莉乃?どうかしたのか?大丈夫か?」

莉乃は、何を心配されたのか少しドキっとしたが、誠が自分の態度の変化に気づいていることはわかった。

「大丈夫。最近少し張り詰めてたから、ほっとしたのかな。」
莉乃は笑顔を向けて、ソファに座るとカップを手にした。

誠は、そんな莉乃をジッと見て、少し考えるような表情を浮かべたが、
「そうか。ありがとな。お疲れ様」

そういうと、笑顔を向けて莉乃の横に腰を掛けた。


「莉乃、俺の目見て?」
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