副社長には内緒!〜 Secret Love 〜
「でも……莉乃頼む。首はやめて。息がかかると……」
「息がかかると?」
和んだ空気を感じ、莉乃は誠の耳の下あたりにそっと息を吹きかけてふざけて笑った。
「莉乃!!」
そう言うと誠は莉乃を上から見下ろすように、莉乃を組み敷いた。
「頼むから、ふざけるな。止められなくなる……」
「……嫌!!」
誠の言葉の途中で、莉乃は急に叫ぶと誠の腕を押して、起き上がった。
「……莉乃。悪い!本気じゃない!」
誠は急に叫び、青ざめた莉乃に慌てて、謝罪をすると自分も起き上がった。
「ごめんなさい……。誠が悪いんじゃないの。今の体制が……」
莉乃は、自分自身に震える体を抱きしめた。
「体制?」
「……あの日以来、誰の手も信じられなかった。誰に触られても嫌悪感が付きまとったの。だから、ずっと一人でいるしかないって」
莉乃は、ゆっくりと少しづつ話し始めた。
誠は静かに莉乃の話に耳を傾けた。
「元カレだった話はしたよね?」
「ああ」