副社長には内緒!〜 Secret Love 〜
【清水弘樹】を出すと、メッセージを送った。

【今度、香織ちゃんと話がしたいんだけど】

【莉乃ちゃんのこと?】

【そう】

【了解、聞いて連絡する】 

それだけメッセージを打つと、誠は莉乃をちらっと見た。

「誠、簡単だから、そっちで食べようか」

「運ぼうか?」
誠はキッチンに向かうと、サラダと、チーズやクラッカーの皿を持って、テーブルに置いた。

「冷凍のストックで作ったから、味の保証はあまりないけど」
エビのクリームソースのおいしそうな香りと、湯気が上がっていた。


2人は並んでソファに座ると、テレビを見ながら食べ始めた。

「美味いよ!莉乃。このパスタ」
誠は驚いたように言って莉乃に微笑みを向けた。

「本当?よかった」

「なあ、莉乃……」
「うん?」

誠は話しだしたものの、上手く言葉がでてこず言葉に詰まった。

「さっきの……」
莉乃もなんの話かわかり、言葉に詰まる誠に対し莉乃は先に口を開いた。

「気にしないで!私が頼んだんだし。協力してくれたって事で大丈夫だから!」

莉乃は一気にまくし立てると、パスタを口に入れた。

(私は何も望まないよ)

そんな莉乃の姿に誠は何もいう事ができなかった。

「さあ、冷めるから食べよ」
莉乃は自分から、この話を切り上げると、無理やり笑顔を作ると誠から視線を逸らした。
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