副社長には内緒!〜 Secret Love 〜
食べ終わり、莉乃は片付けをしていた。

(こんな、妙な関係にしてしまったのは自分だよね……私の過去のせいで、誠は同情してくれて付き合ってくれてる。やめないといけないけど……今は奴が出てきているかもしれない!ごめんなさい。もう少しだけ、誠に甘えさせてください)

莉乃は心の中で祈るように呟いた。


誠の後にシャワーを浴び、リビングに戻った莉乃は誠に声をかけた。
時間はもうすぐ23時半になろうとしていた。

「誠、もう寝る?もう少し飲む?」

「莉乃は?眠たい?」
ゆっくりと振り返った笑顔の誠に、莉乃も微笑んだ。

「昼寝をしたからか、まだ眠くないかな」
「俺も」

「じゃあ、もう少し……。誠の持ってきてくれたワインでいい?赤?白?」
莉乃はそういうと、ワインを見せた。

「莉乃の飲みたい方でいいよ」

莉乃は少し考えると、赤ワインとオープナー、ワイングラス、チーズをお盆に乗せてテーブルに運んだ。

誠はワインを手に取り慣れた様子でコルクを抜くと、グラスに注いだ。

「録画してある映画でも見る?」
莉乃はリモコンを手にすると、録画のリストを出しながら聞いた。

「あっ、俺これ見たかった」

「じゃあ、これ見ようか」
莉乃は再生すると、ワイングラスを持ち誠と少し間をあけてソファに座った。

今の関係性を物語る距離だな……そんな事を思いながら莉乃は画面に目を向けた。
2人は真剣に見入っていた。

「このCMが入らないといいのにね」
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