副社長には内緒!〜 Secret Love 〜
「莉乃が、一緒の方がよく眠れるなら、それだけでいいよ」
誠の穏やかな言葉に、莉乃は何も言えなかった。
(一緒に眠りたい。でも……更に離れられなくなるかな……)
莉乃は意を決したように、
「気を使ってくれて、ありがとう。1人で大丈夫だよ」
誠は笑顔を向けた莉乃を黙って見ていた。
「……じゃあ、寝るか」
誠は莉乃に声をかけ、洗面所に向かった。
2人は歯を磨き、隣通しの部屋の前にいた。
「おやすみなさい」
「……おやすみ」
莉乃は自分の部屋の扉を開けると、部屋に踏み入れた。
誠も、客間のドアノブに手をかけた。
チラッと莉乃を見ると、足早に莉乃の部屋の前に行き、莉乃の部屋の扉に手をかけ、莉乃と一緒に部屋に入った。
「やっぱり……一緒に眠ろう?」
莉乃は驚いた表情を見せたが、小さく頷いた。
2人は莉乃のダブルベットに入ると、
「さっきの映画、続編あるんだろ?」
「あっ、そうなんだ?じゃあ、今度レンタルしてみる」
遠慮気味に少し離れた場所に入った莉乃の方に誠は寄ると、そっと頭を抱き寄せた。
「なんでそんな隅っこに行くんだよ。俺がいる意味がないだろ?」
クスリと笑いながらそういうと、莉乃の額にそっとキスを落とした。
「あっ……悪い。つい……」
無意識に落としてしまったキスに、慌てて誠は莉乃から顔を背けた。
「ありがとう。誠」
そんな誠に、優しい笑みを向けると、莉乃はそっと瞳を閉じた。
「おやすみ。莉乃。俺がいるから安心して」
そういって髪にキスを落とした誠が、「あっまた。やばいな……」そんな呟きを心地よく聞きながら、莉乃は深い眠りに落ちていった。
翌朝、2人は前回同様朝食を食べ、公園に散歩に行き、ランチをし、夕方別れた。