副社長には内緒!〜 Secret Love 〜
「誠。こっち」
「弘樹」
あの後、莉乃を家まで送り届けると、誠はいつものBARに向かった。
「誠さん、こんばんは」
「香織ちゃん、ごめんね。忙しいのに」
「全然、もっと早く時間作りたかったんですけど、今週フライトが立て込んでて」
香織は心配そうな顔で言った。
「2人はうまく言ってるみたいでよかったよ」
誠はビールを口につけると言った。
「おかげさまで」
弘樹は香織を見て微笑みを浮かべた。
「貴重な二人の時間を悪かったな。手短に話をして退散するよ」
誠は少し笑みを浮かべた後、すぐに真顔になると、香織に向かって切り出した。
「香織ちゃん、莉乃にストーカーをしていた男について教えて欲しいんだ」
香織もその誠の問いに緊張した面持ちになった。
「誠さん。どこまで聞いてますか?」
「たぶん、大体は聞いてる」
「今の莉乃の状況も?」
「ああ」
その誠の答えに、香織は意を決したように口を開いた。
「そう…ですか。奴の名前は、溝口総一郎。大手不動産会社の社長の次男です」
「社長の息子……」
誠も弘樹も同時に呟いた。
「そう。だから、ニュースにもあまりならなかった。莉乃も望まなかったし」
香織は、目線をグラスに向けると、指でグラスをなぞった。
「家族や友人に心配をかけたくないって気丈にしていたけど、莉乃の心も体もズタズタだった。自分で自分を守ることで必死だったと思う」
誠は黙って香織の話を聞いていた。
「弘樹」
あの後、莉乃を家まで送り届けると、誠はいつものBARに向かった。
「誠さん、こんばんは」
「香織ちゃん、ごめんね。忙しいのに」
「全然、もっと早く時間作りたかったんですけど、今週フライトが立て込んでて」
香織は心配そうな顔で言った。
「2人はうまく言ってるみたいでよかったよ」
誠はビールを口につけると言った。
「おかげさまで」
弘樹は香織を見て微笑みを浮かべた。
「貴重な二人の時間を悪かったな。手短に話をして退散するよ」
誠は少し笑みを浮かべた後、すぐに真顔になると、香織に向かって切り出した。
「香織ちゃん、莉乃にストーカーをしていた男について教えて欲しいんだ」
香織もその誠の問いに緊張した面持ちになった。
「誠さん。どこまで聞いてますか?」
「たぶん、大体は聞いてる」
「今の莉乃の状況も?」
「ああ」
その誠の答えに、香織は意を決したように口を開いた。
「そう…ですか。奴の名前は、溝口総一郎。大手不動産会社の社長の次男です」
「社長の息子……」
誠も弘樹も同時に呟いた。
「そう。だから、ニュースにもあまりならなかった。莉乃も望まなかったし」
香織は、目線をグラスに向けると、指でグラスをなぞった。
「家族や友人に心配をかけたくないって気丈にしていたけど、莉乃の心も体もズタズタだった。自分で自分を守ることで必死だったと思う」
誠は黙って香織の話を聞いていた。