副社長には内緒!〜 Secret Love 〜
「莉乃、最近どう?大丈夫?」

「うん。そろそろ出てくるかと思うと最近不安だったけど……」

「誠さん?」
そこで言葉を濁した莉乃に、香織は表情を変えず食べながら聞いた。

「まあ、そうかな」
莉乃は苦笑いを浮ながら、香織に目を向けた。

「泊まったりしてるんだよね?スエットとか誠さんが使ってるんでしょ?洗面所に置いてあったけど」
香織は少し心配そうな視線を莉乃に向けた。

「うん。でも、ホント何もないよ……」

「本当に?」
香織は変わらずサンドイッチを食べ進めながら莉乃に尋ねた。

「うん……あっ……でも、多少触れられたり、抱きしめられるのは平気で……」

「はっ?抱きしめる?」
莉乃の返答に、香織は驚いて思わずサンドイッチを皿に置くと、莉乃を呆然と見据えた。

「最近、睡眠があまりうまく取れなくて、誠が一緒に眠ってくれたりしてて……」

香織は益々わからないという顔をした。

「寝る?ただ眠るの?」

「そう」

「抱き合って?」
香織は更に怪訝な顔をすると、莉乃をジッと見た。

「おかしい関係だよね」

「あのさ莉乃。誠さんって男が好きってわけじゃないよね?」

「違うでしょ。女の人いっぱいいるよ……」
莉乃は香織の言葉に、いつもの誠を思い出して言葉を発した。

「そうだよね……なのにただ一緒に寝るの?何もなし?」
まだ納得のいかないような顔をして、考えるような表情をした。

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