副社長には内緒!〜 Secret Love 〜
会食は、問題なく進み、契約の続行とお互いの常務の処分をすることで話は終わった。

「社長、本当にありがとうございます」
頭を下げた誠に、取引先の社長も慌ててお礼を言うと笑顔を向けた。

「やめてください。こちらこそ、不正をきちんと見つけて下さってありがとうございます」

「うちの水川のお陰です」
誠は横にいた莉乃を見た。
「そうでしたか。水川さん、ありがとうございます。こんな美しく、優秀な秘書をお持ちで、長谷川副社長もお幸せですね」

「恐れ入ります」

莉乃はさっきの言葉を気にして、車の中でネットに入れていた髪をバレッタに変え、眼鏡を外し、少し華やかな印象に変えていた。


「これで、明日の役員会でいい報告ができます」
誠のその言葉に、その場にいた全員が笑顔を向けた。



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