副社長には内緒！〜 Secret Love 〜

「だって！だって誠には……」
今日の緊張と、今までの不安な気持ちと、莉乃は自分を抑えられなかった。
「だって、誠には女の人沢山いるじゃない！私には無理、遊びの女にもなれない！たくさんの中の一人は嫌なの！」
そこまで言って莉乃の瞳から大粒の涙が溢れた。

「誰が、たくさんの中の一人なんだよ！」
誠も声を荒げハッとした。

「私の事気にしてくれてるけど、こないだだって、綺麗な女の人と一緒にいたじゃない…。」

（もう嫌だ。私に責める権利なんてないのに）

「それは……」
誠の言葉を聞きたくなく、莉乃は言葉を重ねた。

「ごめん。誠が誰と何しようがあたしには関係ないし、誠も好きにして。」
莉乃は少し自暴自棄気味に言うと立ち上がった。

「莉乃！違う！」

「もういい。私帰る……」