副社長には内緒！〜 Secret Love 〜

「ねえ、一緒に飲まない？」

（ナンパ……）

莉乃はため息をついたが、こういう出会いも大事にするべきなのか？と自問自答するとその男たちを見た。
「お姉さん？かな俺たち２５なんだけど」
そう言うと、空いていた莉乃の隣の席に座った。

「何飲んでるの？」
「ビール」
「じゃあ、俺にもビールお願い」
その男たちはビールがくると、
「出会いに乾杯しよ、ね！」
と強引に莉乃のグラスと自分の持っていたグラスを合わせてビールを一気に飲み干した。

「お姉さんたち綺麗だね」
少し酔っているだろう、その男は莉乃をジッと見た後、そう言うと莉乃の肩を抱いた。

莉乃にゾワっという嫌悪感が湧いた。

（やっぱり無理！）

「……ごめん無理！」
と手を払おうとしたところで、肩に回っていた手が退かされた。

「気安くさわんな」
低く、怒りを含んだ声が後ろから聞こえた。

「なんだよ、お前！」
その声に莉乃も振り返った。

怒りに満ちた目で男の手首をつかんで誠が立っていた。