副社長には内緒!〜 Secret Love 〜
「……違う。すべての事から守る権利を。さっきの男に触られてるのを見ただけで、怒りが抑えられなかった」
誠も手をぎゅっと握った。
「頼む。お前にとって、俺はどうしようもない男だってのもわかってる。これからは莉乃だけだから。俺の事を信じてもらえるよう努力するから。チャンスを……」
莉乃は驚いて顔を向けた。
「私だけ……」
「ああ。莉乃だけだよ」
誠はまっすぐな瞳を莉乃に向けた。
「…今日の人は?」
「きちんと別れた。ずっと莉乃に会ってからもちろん会ってなかったし、俺は終わったつもりだったし、もう会わないってずっと言ってたんだけど、ずっと納得してもらえなくて。今日もわかってもらうまでに時間がかかった」
「……え?最近会ってた女の人は?」
「それも同じ。俺に本気じゃないっていうから、たまに会ってたけど……実際違ったんだよな。彼女たちにも本当に申し訳ない事をしたと思ってる。でも……俺は莉乃にきちんとしてから、向き合いたかったから」
莉乃は誠の言葉は信じられず、ジッと誠を見据えた。