副社長には内緒!〜 Secret Love 〜
secret 6

あたしじゃ物足りない?

「よかった」
香織は心底安心したように言った。
「ごめん、いろいろありがとう」
あの日から数日たった香織の休みに合わせて2人はいつものBARにいた。

「あの日、なんかやけになってる莉乃は気になったから、つい弘樹君にメッセージ送っちゃったんだよね」

「ああの日はね。昼間に会社に女の人訪ねてきてもう限界って思ってたから」
莉乃は肩をすくめると、眉をひそめた。

「その女の人は何だったの?」

「きちんと別れ話をするためだったみたい」

「じゃあ、誠さんとりあえず、女切ったんだ?」
香織はにっこり笑って聞いた。
「そうみたい」
莉乃は少し照れたように、微笑んだ。

「あの、誠さんがね……まあ、収まるべき所に収まってよかった」
香織はニコリと笑うと、ビールに手を付けた。


「ねえ、一緒に飲まない?」
そんなふたりの後ろから聞こえた声に、莉乃はクスリと笑うと振り返った。
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