副社長には内緒！〜 Secret Love 〜

莉乃は、家に帰るとお風呂を溜めるとお湯に浸かった。

（やっぱり、あたしじゃ物足りないないのかな…。付き合いだしてからの方が距離かある気が…。付き合わない方が自然にいられたのかな……）

莉乃は口の下までお湯に浸かると、自分の膝を抱いた。

（誠と私じゃ、経験値が違いすぎる気がする……）

莉乃は寂しい気持ちをなんとかごまかすように、頭から熱いシャワーを浴びた。


しばらくは、仕事も忙しく、誠も莉乃も仕事に追われていた。

「水川さん、今日もシステム組むのに時間かかりそうだから、先に上がって」
誠は莉乃のデスクに来ると言った。

「…はい」

莉乃はキーボードに手を置いたまま、顔を上げると寂しげな表情を浮かべた。

「ごめんな、あまり一緒に入れなくて……」
誠は寂し気な表情をして莉乃を見つめた。

「大丈夫です」
莉乃はあくまで平静を装って笑顔を誠に向けた。

「そっか……。気を付けて帰れよ」
誠はそれだけ言うと自分の部屋に戻って行った。