副社長には内緒！〜 Secret Love 〜
しばらくして、２人は戻ってくると、
「ランチ、中華にした。夜フレンチだからイタリアンだと似た感じになりそうだしな」
誠はそういうと、立ち上がった莉乃の腰に手をまわすと、柔らかな微笑みを莉乃に向けた。
「行こうか」

（いまだに慣れないよ……生まれた時からこういう対応が身に付いてるの？上流階級の人って……）

なんとか莉乃も誠に微笑み返すと、そのエスコートに従うように歩き出した。

そこにいた人々が、誠と莉乃を見た。

『迫力のカップルだね。美男美女！』
そんな声が聞こえてきたが、今の状況に莉乃はバクバクと心臓が煩かった。


幾分雰囲気にもなれ、いつも通りの空気に莉乃はゆっくりと中華を楽しんだ。
「じゃあ、すこし部屋でゆっくりしたらスパでいいよな？」
「ああ」


そんな会話をしながら４人はエレベータに乗り、最上階に向かう。
「部屋、隣かな？」
弘樹が誠に聞いた。
「どうだろ？」
４人はラウンジに戻り、スタッフに声を掛け案内してもらった。

「じゃあ、莉乃、また後でね」
「うん」
ヒラヒラと手を振る香織に、莉乃も手を振った。
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