副社長には内緒!〜 Secret Love 〜
「お願いします」
二人の声が揃い、莉乃と香織は顔を見合わせて笑いながら、二人が慣れた様子でオーダーする様子を見ていた。

(やっぱりいつもはこういう所でデートしてたんだろうな。嫌、してたな。よくホテルのレストランの予約入れたっけ……私が)

そんな誠を見て莉乃は少し息を吐いた。

「莉乃、どうした?」
そんな莉乃の様子を、心配するような誠の視線に、莉乃は慌てて笑顔を作った。
「なんでもないよ」

「そうか?ならいいけど……」
そんな莉乃を誠はしばらく見ていた。

前菜から始まり、デザートまでお酒も進み楽しい時間が過ぎた。

「ホント、美味しかった」
コーヒーのカップを置いと満足そうに言った香織の言葉に、莉乃も頷いた。
「美味しかったね」

「それはよかった」
嬉しそうな二人に、満足そうに誠と弘樹も笑った。


レストランを出て、弘樹たちの部屋の前まで来ると、
「じゃあ、明日の朝食は7時30ぐらい?」
弘樹は聞いた。
「そうだな。莉乃それでいい?」
「うん」

「じゃあ、また明日な」
弘樹と香織と別れると、2人は部屋に戻った。
今まで、さんざん泊りや、一緒の部屋にいた莉乃だったが、部屋に踏み入れた瞬間にドキンとした。
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