副社長には内緒!〜 Secret Love 〜
「明日、早いからもう寝ようか?」


「…うん」
誠のその言葉に、莉乃の心臓は張り裂けそうにドキドキしていた。

(心臓、飛び出そう……。大丈夫大丈夫)

莉乃は誠について行きながら自分にいいきかせた。
寝室に行くと、大きなキングサイズのベッドに誠はさっと入ると莉乃をみた。
立ち止まっていた莉乃に、
「どうした?ほら、寝よ?」
誠はシーツをめくるとポンポンと叩くと、笑顔で莉乃を見た。

(え?……あれ?)

誠に言われるままにベッドに入り、チラリと誠に目線を向けると、誠は「おやすみ」と莉乃の額にキスを落とすと
照明を落とした。

(え?ホントに寝るだけ?なん……で……?私じゃ……だめ?)

莉乃はベッドにもぐりこむと頭までシーツを被ると、涙が出そうになるのを何とかこらえた。

「莉乃?どうした?」

何も言わない莉乃に、誠はシーツをずらすと莉乃の顔を覗き込んだ。
目に一杯の涙を溜めている莉乃に、誠は驚いた顔をして、
「どうした??」
莉乃は誠の慌てたような声に、起き上がるとただただ首を振った。
誠は困り果てたような顔をして、起き上がるとベッドの上で莉乃を抱きしめた。

「莉乃?俺……何かした?」

莉乃は、また首をぶんぶん振った。
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