副社長には内緒!〜 Secret Love 〜
「千堂さんて、おいくつになるんですか?31?32?」
莉乃は思い出したように聞いた。

「32だよ。水川さんより8つも年上だね」
運ばれてきた料理を千堂はとりわけ莉乃の前に置いた。

「あっ、すみません。やって頂いて」
莉乃は恐縮しつつ、その料理を見つめた。

「これぐらい当たり前でしょ?」
千堂のその言葉に、
「やっぱり大人の男の人は経験値っていうのが違うんですね……」
莉乃は納得したように言うと、小さくため息をついた。

「何?それ?水川さん、大人の男の人と付き合ってるの?」
千堂の確信を付いた言葉に莉乃はドキッとした。


「いえ……。一般論です!大人の男の人から見たら、私みたいな小娘じゃ相手にならないし、太刀打ちできないなって思いました」
莉乃はごまかすように言うと、フフッと笑みを漏らした。

莉乃をなぜかジッと見つめられて、ドギマギして声をだした。

「千堂さん?」

「オレは好きだよ?」
< 212 / 323 >

この作品をシェア

pagetop