副社長には内緒!〜 Secret Love 〜
「え…?」
莉乃は意外な言葉に箸を持っていた手を止めた。

千堂はふっと笑って、
「水川さんみたいな可愛い女の子。十分に相手になるって事。だから自信もって。」

「千堂さん…。ありがとうございます。」
莉乃は笑顔を見せた。
「水川さんは笑顔が似合うよ。」
千堂の優しい瞳に、莉乃はすこしドキッとした。

(- なんて甘い言葉をこの人は言うんだろう。やっぱり大人のハイスペックイケメンはすごい。)

莉乃は訳の分からない事を思っていた。

「こういうセリフをさらっと言えちゃうのが、大人の恋愛慣れしてる人なんだなって思うんですよ。」
莉乃はわざとふざけたように言った。

「恋愛慣れ?そんなことないよ。」
千堂はクスクス笑った。

「だって、千堂さん社長の前とは別人です。」
莉乃は真顔で言った。

「そう?」
千堂はそうかな?という顔をした。

「こんなに女の子が気持ちよくなるセリフを、ポンポンいう人には見えないですよ。」

「あっ、評価が下がったってこと?」
千堂はばつの悪い顔をした後、笑った。

「違いますよ。」
莉乃も笑って否定した。

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