副社長には内緒！〜 Secret Love 〜

「ここ、ご飯美味しいですね」
莉乃は話を変えるように言うと、千堂の頼んだキノコのアヒージョをバケットの上に乗せた。

「うん、美味いでしょ」
千堂もピザを頬張った。

「千堂さん、彼女は？」
莉乃はバケットをお皿の上に置くと、ふと疑問に思った事を口に出した。

「今はいないよ」

「それこそ意外……千堂さんならどんな女の子でも付き合えそうですけど」
莉乃は目をまん丸くして、千堂を見据えた。
「そんなことないよ。だって水川さんは俺とは付き合わないでしょ？」

その切り返しに莉乃は持っていたフォークを危うく落とすところだった。
、
「え？すごい切り返しですね……」


クスリと笑った千堂を見て、莉乃は呆れたように、
「もう、子供をからかって！ハイスペックのイケメンさんの、恋愛事情は分かりません」
莉乃は肩をすくめると、小さくため息をついた。


「何？ハイスペックイケメンって？それを言うなら副社長でしょ？」

千堂の副社長という言葉に莉乃はドキッとした。
なんとか、平静を取り戻すと、
「副社長もですね。確かに」