副社長には内緒!〜 Secret Love 〜
「おはようございます。水川さん」
次のひ莉乃は給湯室で千堂に声を掛けられた。

「おはようございます。千堂さん」
莉乃は千堂に微笑むと頭を下げた。

「よかったです。仲直りできたようですね」
千堂は微笑むと莉乃を見た。

「はい。全部お見通しだったんですか?」

「二人のことは陰ながら応援していたんですが、お見合いの話がでいたのと、水川さんが元気がないのが同じ時期だったので、心配でお節介をしてしまいました」

「そうだったんですね……ありがとうございます」

「少しは下心があったっていったら?」
お道化たように言った千堂に、
「そんな事言って。千堂さんも素敵な人と会えるといいですね?あっ……もう一度会えると……かな?」

莉乃はチラリと目を向けると、複雑な顔をした千堂がいた。

「俺の事はいいんだよ……」
素の言葉でぼそりと呟いた千堂に、彼の心の思いを覗いたような気がして、莉乃は千堂の幸せを思った。

「水川さん」
そこには、扉にもたれた誠がいた。

「副社長、貸し一つですよ」
千堂はふっと笑うと誠をみた。

「もう少し違う方法でやってほしかったよ」
誠も千堂をじっと見た後、フッと笑った。

「水川さん、行くよ」
誠はそれだけ言うと、秘書課を後にした。
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