副社長には内緒!〜 Secret Love 〜
付き合いだしてから、すれ違いやケンカもあったが、お互いをその都度理解し話し合いをして今日に至っている。

「どうした?」
感慨深く浸っていた莉乃は、ハッとし微笑んだ。
「幸せだな。って」

その言葉に、誠は驚いた顔をしたが、
「急にどうした?でも、そうだな」
誠も空を見上げた後、莉乃を見て微笑んだ。


水族館を出ると、もう町はイルミネーションが溢れていた。
光の洪水に莉乃は歓声を上げた。
「うわー!」

「綺麗だな」
誠も立ち止まると、目の前のクリスマスツリーに目を奪われた。

しばらくその光景を見た後、
「行こうか」

「うん。どこでケーキ買う?」

莉乃はてっきり誠の家に行くものだと思い、ケーキショップを思案した。
去年のクリスマスは、チキンとケーキを買い誠の家で過ごした。

誠は大通りに止まっているタクシーを見つけると、莉乃を乗せた。

「六本木へ」
誠は行き先を告げると、タクシーに取り込んだ。

(どこ行くんだろ?美味しいケーキ屋さんあるのかな?)

莉乃は東京のイルミネーションを見ながらそんな事を考えていた。

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