副社長には内緒!〜 Secret Love 〜
「ご案内させて頂きます三枝です。よろしくお願い致します」
女性は柔らかな笑顔を見せた。

「こちらこそよろしくお願いします。あの……。今からどこへ?」

「こちらです」
案内されたところはメイクルームだった。

そこには鮮やかなドレスが難点も飾ってあり、中には、ヘアメイクさんらしい女性がいた。

「この中から、お好きなドレスをとの事でした」

(え??何?これ?)

莉乃は全く理解できていないながらも、ドレスに目を移した。
ボルドーのサテンに黒のレースがあしらわれたシックなドレス、黒の柔らかなドレープのトップスにタイトなスカート、薄いベージュのAラインとかわいらしいドレスなど……。

(うーん!どれも素敵すぎる……)

「……悩んじゃいますね。」
莉乃は困惑しながらスタッフの女性に声を掛けた。

「どれも、お似合いだと思いますよ」

莉乃は少し悩んだが、明日26になる自分と、誠の隣に立つ自分を想像し、大人っぽいボルドーのドレスを選んだ。

「じゃあ、ヘアメイクもさせていただきます」
そう言うと、ボルドーのドレスに合わせた大人っぽいメイクが施された。
緩やかにまかれた髪をハーフアップにし、ドレスに着替えた。
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