副社長には内緒!〜 Secret Love 〜
「いきなりそんな事言われても……勢いというか……」
莉乃は急に恥ずかしくなり、言葉を濁した。

「嫌?」

「そういう訳ではないけど……」

「じゃあいいじゃん。ほら」
そう言うと、誠はソファに横になり手を広げて莉乃を見つめた・


莉乃は観念したように、バラの花束をテーブルに置くと誠を上から見下ろした。


「やばい、その莉乃」
誠はジッと莉乃を見つめた。

「少しは、出会った頃より色気でたかな?」
莉乃もジッと誠を見つめると、ニコリと微笑んだ。

「出会った時から、俺には莉乃だけだよ。でも今日の莉乃は一番かもしれない」
そう言いながらも、莉乃の頬をそっと撫でた誠の余裕の顔に、

「その、誠の余裕な顔がむかつくの」
軽く睨むと、誠にキスを落とした。

何度か繰り返し、莉乃は誠の首筋に唇を寄せた。

(やばいよ!ドキドキしすぎる!慣れない事しすぎかも!でも、私だって、もっと誠に求めて欲しいよ)


莉乃は心の中を隠し、誠の頬にふれ妖艶な微笑みを湛えた。

そのまま首筋へと手を進め撫でた後、誠の耳を甘噛みし、舌を首筋に這わせた。

それに合わせるように、誠がピクリと反応をしたことで、莉乃はさらに誠のシャツへと手を掛けた。

「り……の?」

(おいおい、どこまでやるんだよ……)

誠は内心激しく狼狽していた。

莉乃は、誠の上に跨ったまま、シャツをぬがすと首筋から鎖骨へと唇を移動させ、手はゆっくりと誠の素肌を撫でた。

「莉乃!もうだめ!俺は攻める方がやっぱり好きだわ」
その言葉と同時に、グイット手をとられ莉乃は反転させられた。

「え?まだ……」
莉乃の言葉にかぶすように、誠は唇を塞いだ後、
「莉乃に責められると、俺直ぐに余裕なくなって莉乃を壊しそうだ。だから俺に愛させて」
誠は早口にそれだけ言うと、莉乃の唇を激しく奪った。

「まことずるいよ……あっ……」
その声すら、覆いつくすようにキスの雨を降らせると、

「ごめん。もうドレス脱がす」
誠は先ほどとは逆に、莉乃を上から見下ろし、ペロリと自分の唇を舐めた。

(余裕ないなんて嘘ばっかり……やっぱりあたしが翻弄させられるんだから……)

そうは思ったが、いつも通りの誠の熱を感じ、触れられると何も考えられなくなり、莉乃は誠に体を委ねた。

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