副社長には内緒!〜 Secret Love 〜
(今日は厄日だよ。副社長にバレちゃったし……。変な人。いつもと別人だったな……。自分こそどっちがホントの副社長?)
「幸せそうな顔で眠ちゃって…。」
莉乃はそう呟き、知らず知らず微笑んでいた。
そして、もう一度部屋を見渡すした。
(すごい量の本だな……)
莉乃は、もう一度目線を誠に向けた後、鞄から紙とボールペンを出した。
お疲れ様です。
鍵をかけて、ポストの中に入れておきます。
おやすみなさい。
それだけ書くとサイドテーブルに置き、鍵をかけてポストに入れるとマンションを出た。
真っ暗な夜空を見上げて、大きく息を吐いた。
(香織どうしたかな……)
莉乃はタクシーを拾うと乗り込み、東京の街を眺めながら自宅へと向かった。