副社長には内緒!〜 Secret Love 〜
ソファに座ってすぐに、
【今向かってる】
その文字を見てなぜかドキッとして落ち着かない気分になり、リビングを行ったり来たりしていた。

やだ。ちょっと落ち着こう。やっぱりたくさんチョコレート貰ったのかな……

私も義理チョコは渡しているし、誠が貰っても文句を言えないけど、やはりいかにも本命とわかるチョコレートを受け取って欲しくないな……。

インターホンが鳴り、すぐにドアのカギを開ける音がした。

誠は合鍵を持っているにも関わらず、必ずインターホンを鳴らす。

「おかえりなさい!」
ニコリと笑って言った私に誠は笑みを浮かべると、「ただいま」と頬にチュッとキスを落としてくれた。
「だたいま」
ポンと頭を撫でられ、誠の笑顔を見て私は質問を続けた。

「ねえ、もうお腹いっぱい?もう飲めない?」
廊下を歩きながら誠の袖を引っ張ると、
「あんまり食べてないから、全然飲めるし食べられるよ」
ニコリと笑って言った誠に、「よかった」と内心ほっとした。

< 292 / 323 >

この作品をシェア

pagetop