副社長には内緒!〜 Secret Love 〜
「はあ?貰ってないよ」

「本当?私見てたよ。最後だから貰ってください!って言われてるの」

「ああ……まあ。確かにそう言って持ってきた子はいたけど、明らかに本命ってわかるものは貰ってない。お返しも返せないし、気持ちは答えられないってきちんと言った」
真剣な誠の表情に私はホッとして、赤ワインを口に含んだ。

「よかった」

「なあ、莉乃。俺も人の事は言えないけど、俺の気持ちまだ信用ない?俺の愛情足りてない?」
ニヤリと言った誠は、なぜか色気が駄々漏れていて、私は目をそらせずゴクンと赤ワインを飲みこんだ。

「そんなことは……でもやっぱりモテる人が相手だと少し心配にね……」
「それを言うなら俺もそうだよ。莉乃の表情や行動にいつも振り回されてるよ」
少し俯きながら料理を口に運んだ誠の言葉に意味が解らず、私はジッと誠の顔を見た。

「誠……なにか私そんなに振り回してる?」

「ああ、いつも俺を翻弄してるよ」
そして真っすぐ見つめられて、私はドキンと身体が熱くなった。

< 295 / 323 >

この作品をシェア

pagetop