副社長には内緒!〜 Secret Love 〜
そう、平和な休日だったはずだった。

(なのにどうしてこうなったの?)

莉乃はもやもやとした自分の心に問いかけても、はっきりしたことは1つだけ。
最近よくかかって来る女の人からの電話だ。

今日も二人でゆっくりとした午後を過ごしていたところに、誠の携帯が音を立てた。
仕事でもよくかかってくるが、最近こそこそと電話に出ることが多い誠に、チラリとその画面へと莉乃は視線を送った。

【着信 神林 美樹】


その事に、少しだけ引っかかりを覚えた莉乃は、いけないと思いつつそっと聞き耳を立てた。


「大丈夫、バレていないから」
その言葉に、莉乃は頭が真っ白になる気がした。
誠に限って浮気など……そうは思うも、自分と付き合う前の誠を思い出す。

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