副社長には内緒!〜 Secret Love 〜
「弘樹、それはそうとどこに行く気だ?」

『聞いて驚け!テーマパーク、夢の国!』

どうだ?と言わんばかりに言った弘樹に、誠は声にならなかった。
いつもの誠のデートコースといえば、高級レストランでディナーをし、そのままホテルコースだ。

「ありえない……行かない。お前だってどうしてそんなところ!」

『そんなこと言うなよ。テーマパークなら警戒されないかと思って。いつぶりだ?』

「それすら覚えてない。貴重な休みをそんな事に使えるか」
誠は淡々と答えた。

『ひどいな、俺、結構香織ちゃんの事は本気だから協力しろよ』
親友にそう言われると誠は弱かった。

「……わかったよ」

『明日早いぞ。8時半に駅前で待ち合わせしたから、8時15分ぐらいにお前の家に迎えに行くよ』
静かに言った誠に、弘樹は楽しそうに笑いながら言った。

「了解」
誠は観念したように呟いた。
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